この本に主人公はいるのだろうか。 めまぐるしく視点の変わる物語で、その中で登場人物それぞれの日常が営まれているだけなのに、なぜかずっとハラハラさせられる。彼らが、彼らのままに生活しているだけなので、そこには客観視できる善も悪もない。彼らはあ…
こういう言い方はあまり良くないかもしれない、とおもうのだが、間違いなく、わたしの日常的な読書はひとつの「逃避行動」である。だいすきな江國香織さんも、エッセイの中で、推理小説の物語の中に「逃げ込む」というようなことを書いていた。(いま、探し…
映画『あん』予告編 - YouTube ※ネタバレ注意です。 平日の午前中に観に行ったのだが、劇場は満員。前から二列目という、普段だったらぜったいに選ばない席に座らざるを得なかった。平日の午前中という時間帯のせいか、他のお客さんはみんな高齢の方々。20代…
ブログを書いたり、消したり、書いたり、消したりしてしまうのは、もうどうしようもないと諦めている。良くないことだともおもってはいる。 そして毎年、なぜか、十二月になるとブログを書く。我ながら謎である。 というわけで、今年もブログを書く。 去年は…