この本に主人公はいるのだろうか。 めまぐるしく視点の変わる物語で、その中で登場人物それぞれの日常が営まれているだけなのに、なぜかずっとハラハラさせられる。彼らが、彼らのままに生活しているだけなので、そこには客観視できる善も悪もない。彼らはあ…
こういう言い方はあまり良くないかもしれない、とおもうのだが、間違いなく、わたしの日常的な読書はひとつの「逃避行動」である。だいすきな江國香織さんも、エッセイの中で、推理小説の物語の中に「逃げ込む」というようなことを書いていた。(いま、探し…
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